陽子線治療の事前入院について説明を受けてきたので、要点をまとめます。
12月12日、陽子線センターで、陽子線治療と事前入院(1泊2日)の説明を受けてきました。1.5ヶ月ぶり、3度目の陽子線センター訪問です。
カズヤス
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陽子線治療の事前入院(1泊2日)の目的は?
陽子線治療の開始前に入院するのには2つの目的があります。
- 前立腺に金マーカーを留置するため
- スペーサーOARを注入するため
私の場合は、初日11時に入院し、昼食は絶食して13時から施術をしました。
翌日まで安静にして血尿や血便が出ないかを確認します。
前立腺に金マーカーを留置するとは?
<東京都健康長寿医療センター様サイトより引用>
「前立腺に金マーカーを留置する」とはどういうことでしょうか。
カズヤス
前立腺の位置は、毎日動いている!?
陽子線治療のメリットのひとつに「前立腺癌に陽子線を集中させ、周囲の組織にあたる線量を少なくして、副作用を減らす効果」があげられます。
しかし前立腺の位置は、次のような状況によって、10mm程度もずれるのだそうです。
1)(すぐ上にある)膀胱にたまった尿の量
2)(すぐ後ろにある)直腸にたまった便やガスの量
前立腺金マーカーを留置する目的
そのため陽子線治療を行うときは、照射位置が正しいかどうかを毎回、精度高く確認する必要があります。
正確に照射位置を決めるために、事前入院であらかじめ小さな金マーカーを前立腺に刺入れて、そのまま留置しておきます。
この金マーカーによって前立腺の位置を精度高く知ることができます。
前立腺金マーカーとは?
あらかじめ刺入する前立腺金マーカーは、太さ0.5ミリ程度、長さ5~10ミリ程度のものだそうです。
カズヤス
前立腺金マーカーによる副作用は?
前立腺に金マーカーを留置する方法は、「前立腺生検」と同様の方法で前立腺2ヶ所に針を刺し、針の先端から金マーカーを押し出し、針を抜くことで金マーカーが前立腺内に残るのです。
「前立腺生検」と同様、次のような合併症が起きる可能性があるそうです。
- 血尿14.5~16.8%
- 尿路感染10.9%
- 前立腺が腫れるため一時的な排尿障害7.2%
- 発熱0.8~3.5%
- 2日以内に自然止血する直腸出血2.3%
前立腺金マーカー留置を体験しました!
実際の施術は、前立腺生検と同様の体勢・やり方で行いました。
生体検査と違うのは、背骨への麻酔注射ではなく、点滴をとおして痛みを和らげる薬を入れたことです。
この薬で眠ってしまう人もいるそうですが、私は術中も意識はハッキリしていました。(本当は眠っていたかったが・・・笑)
スペーサーOARの注入とは?
前立腺がん放射線治療のためのスペーサー挿入方法の動画です。(1分)
<Team Nakagawa様 作成動画>
スペーサーOARを注入する目的
前立腺のすぐ後ろには直腸があります。
前立腺がんの陽子線治療を行う際は、前立腺と直腸の間の距離を離して、直腸(正常組織)になるべく陽子線が当たらないようにするが必要です。
前立腺と直腸の間にスペースOARを注入することで、正常組織への照射線量を減らし、陽子線による副作用(特に直腸)の発生を抑えることが、多くの研究によって報告されているとのことです。
スペーサーOARとは?
スペーサーOARの主成分はポリエチレングリコールというもので、会陰部から針を刺して、前立腺と直腸の間に注入するとのこと。
注入されたスペースOARはゲル状になって、その位置で固まり、約3ヶ月間はその状態を保って、前立腺と直腸の距離を離してくれます。
その後のスペースOARは、次第に分解吸収されて体内から無くなるそうです。
<スペーサーOAR 注入による代表的な副作用などについて>
疼痛、血尿、血便、血精液症、感染、アレルギー、肛門部・会陰部の不快感、肺塞栓症、異所注入などが報告されていますが、その頻度は軽度のものを含めると10%以下とされています。
直腸に炎症があるときなど、スペースOARの注入が出来ない場合もあるそうです。
スペーサーOARの注入を体験しました!
痛みを和らげる薬を点滴に入れたことで、意識はフワフワしていました。
が、スペーサーOARの注入が始まった途端、たいへん痛くて「うわ~!」って叫んでしまいました。(恥ずかしい・・・汗)
事後に「陽子線治療で、痛いのはコレだけ。あとは痛くないから大丈夫!」と医師から言われました。
スペーサーOARを注入すると、膀胱と小腸が圧迫されるので「トイレに行きたい感じ」がしました。でも、それは「上手く注入できた証拠」だそうです。
カズヤス
立腺癌 陽子線治療の費用(3割負担)
診察3回目の費用(入院の説明と検査)
陽子線治療に向けた診察3回めの費用は次のとおりです。
入院に向けての検査(血液検査、レントゲン撮影、心電図)も行なったので少し高めの金額です。
支払先 | 今回の金額 |
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病院に支払った診察費用 |
6,980円
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薬局に支払った保険調剤費用 |
0円
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合計 |
6,980円
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陽子線治療 事前入院の費用(限度額適用)
1泊2日の入院で私が払った費用は次のとおりです。
2回の食事代(初日の夕食、2日めの朝食)として420円を含んでいます。
私は高額療養費制度の限度額適用の保険証を持っているので下記の金額でした。
「3割負担」だけの場合は数千円高くなるようです。
支払先 | 今回の金額 |
---|---|
病院に支払った診察費用 |
35,820円
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薬局に支払った保険調剤費用 |
0円
|
合計 |
35,820円
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陽子線治療の費用(累計)
陽子線治療だけ(セカンドオピニオンから)の累計金額は次のとおりです。
支払先 | 累計の金額 |
---|---|
病院に支払った診察費用 |
48,460円
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薬局に支払った保険調剤費用 |
0円
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合計 |
48,460円
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カズヤスのまとめ
地元のクリニックで受けている前立腺癌のホルモン療法の開始後6ヶ月を待って、いよいよ陽子線治療の準備段階に入りました。
自分で選んだ陽子線治療の始まりが、やっと具体化に見えてきたので、とてもワクワクしています。
カズヤス
痛いことも有ったけど、入院が終わった今は気分スッキリ!
いよいよ陽子線治療の開始を待つ段階に入ってきた感じがします。