初めての陽子線治療 第一日目の体験談~体の負担が少ない治療に感謝

陽子線治療 初日の感想

陽子線治療を初めて行なったので、体験談を書きます。

2年目の2月8日のことです。初めて陽子線治療を受けました。

当日は前処理のため1時間前に病院に到着。水を300cc飲み終えてから受付へ行きます。

受付では、それまでの診察時とは異なり、IDカードが内蔵されたクリアファイルを受け取ります。
IDカードは、陽子線エリアに出入りする際に必要で、クリアファイルと一体になっているため取り外せません。

陽子線治療中の注意事項

まず看護師さんから陽子線治療中の注意事項の説明がありました。
項目としては次のとおりです。

看護師

  • 陽子線治療の主な急性有害事象(副作用)
  • 尿道・膀胱炎の症状に対するケア
  • 放射線皮膚炎に対するケア
  • その他のケア

陽子線センターには、治療の進捗に応じた説明資料が用意されていて、その都度、陽子線技師や看護師が説明をしてくれます。治療内容がよくわかるためたいへん助かりました。

カズヤス

ただ、説明する人によって内容が微妙に違うことがあります。(笑)
そんなときは積極的に質問をしてみましょう。

陽子線治療に関する説明や注意事項は、個人的には何度でも行なってほしいです。
その理由は次のとおりです。

  • 陽子線治療は長期戦で、諸注意を忘れることがあるため
  • 患者としてのモチベーションを維持するため
  • 陽子線の照射精度を少しでも上げるため




陽子線治療 担当医の診察

そして、担当医の診察です。
といっても、これから陽子線治療を行なう直前なので「体調に変化はないですか?」という最終確認のようなもので、短時間で終わりました。

カズヤス

この段階では「尿の貯め方」や「お腹のマークが消えない方法」など、具体的な内容で看護師さんや陽子線技師に頼る比率が高くなります。
診察時の医師の説明は、全体的・概略的な内容にとどまっています。



初めての陽子線治療 体験談(第1日め)

初日(1回目)は技師に付き添われて陽子線のエリアに入ります。

このとき、前述のIDカードが必要になります。
明日以降は一人なので、やり方を忘れないように覚えておきましょう。

治療の申込み

扉を入った中には「照射制御室」という、陽子線技師と看護師たちのスペースがあります。
(パッと見には、病棟のナースステーションに似ています)

そのカウンターのBOXに自分のファイルを提出することで「治療の申し込み」となります。

カズヤス

地元のクリニックで、カウンターに診察券を出すのと似ていますね。(笑)

更衣室へ

少し離れた更衣室に行って鍵付きロッカーに荷物を預けて着替えをします。

陽子線治療の際の服装は、上はパーカー、下はジャージなど、動きやすく脱ぎ着が簡単なものが推奨されています。
陽子線治療の服装
仕事の合間に陽子線治療を受けている方は、スーツ姿からジャージに着替えている方もいました。

カズヤス

ジャージの下は、例の陽子線治療用のパンツのみです。

陽子線治療用パンツ

陽子線治療室に持って行けないもの腕時計やスマートホンなどの電子機器もはずしてロッカーに保管します。

眼鏡、入れ歯、マスクは取らなくても大丈夫です。

完了したら待ち合いスペースに行き、呼ばれるのを待ちます。




陽子線照射室へ行く

名前を呼ばれたら技師と一緒に陽子線照射室へ向かいます。

治療室に入ると、下半身はジャージを脱いで例のパンツのみ。

治療台には、私専用の固定具と真空パックがセットされており、横になるとさすがに「うーん、ぴったり!」って感じです。当たり前だけど(笑)

下半身(腰と脚)がぴったり固定された中、陽子線技師が手順を説明してくれます。

陽子線技師

まずレントゲンで位置を合わせます。

そうだ俺の体内に<金マーカー>も入っているし、<お腹にマーク>もついているのはこの瞬間のため。

だから、きちんと狙いを定めてほしい!

1分ほどして

陽子線技師

では陽子線を照射します。

またしても「俺の中には<スペーサーOAR>も入れてあるから心配ない」と祈るように自分に言い聞かせます。

すると突然、

カズヤス

照射台に上がるまで長かったなぁ
と今までの準備の日々が思い出されました。
・ 癌の告知を受けた日
・ 手術しか説明しない医師への反発
・ 本を読みまくって(命がけの?)勉強
・ 悩みながら、がん相談支援センターを訪ねた日
・ セカンドオピニオンで陽子線センターに来た日

等々のことが頭の中で走馬灯のように思い出されます。

カズヤス

やっと照射台までたどり着いたなァ。(涙)

と、万感の思いにひたっていると、突然・・・

陽子線技師

はい!終了しました。

との声に驚きました。

カズヤス

え゛!? 痛くもかゆくもなかったぞ!!

ていうか、 いつ始まるのかな?・・・ ぐらいの2分間。
体には何の変化も感じない。 こんな感じなの???

照射台から降りると、先ほどの看護師さんが

看護師

左右の股関節の外側の皮膚を見せてください。
というので、陽子線パンツ(?)をめくりあげて見せました。
皮膚にも何も変化はありません。

陽子線技師

今日は右から陽子線を当てたので明日は左から行います。
お疲れ様でした。

カズヤス

「お疲れ様でした。」と言われても全然疲れてない・・・

陽子線技師

こんな感じの繰り返しです。

と言われて陽子線照射室を出ました。



カズヤスのまとめ 陽子線治療(第1日め)

緊張の中で迎えた陽子線治療の第1日目でした。

陽子線治療は、前述のとおり「痛くもかゆくもない」というのが正直な感想で、本当に治療をしたのか心配になるほどでした。

陽子線治療は、それほどまでに体への負担が少ないのだな、と改めて「この治療方法を選んでよかった!」と思いました。

カズヤス

数日後から副作用に悩まされるとは、このときは全く知る由もなかったのです。