前立腺癌の陽子線治療の費用はいくら?健康保険適用できるの?
全国にある陽子線センターで、陽子線治療の費用をホームページにハッキリと分かりやすく書いてある施設は少ないようです。
陽子線治療を行なう部位や病気の種類によって金額が異なるためと思われますが、その結果として保険適用(健康保険が使えるか)について書いてあるホームページも少ないです。
カズヤス
前立腺癌 陽子線治療 費用の保険適用は?
前立腺癌の陽子線治療は2018年4月1日から保険適用となりました。
つまり、前立腺癌の陽子線治療には、健康保険証が使えるようになったのです。
ただし、前立腺癌が限局性及び局所進行性で転移していないものに限ります。
陽子線治療は厚生労働省で「先進医療」の扱いとなっているため、健康保険適用できるのは一部の病気に限られていますのでご注意ください。(2023年1月時点)
カズヤス
前立腺癌 陽子線治療の費用はいくら?
前立腺癌 陽子線治療の費用は「保険適用(健康保険が使える)」と「保険適用外(健康保険が使えない)」に分かれます。
順番にご説明します。
前立腺癌 陽子線治療の費用(保険適用の場合)
前立腺癌で保険適用になるのは、限局性及び局所進行性で転移していない場合のみです。
陽子線治療の費用は、数ヶ月間の一連の治療過程に複数回治療を行った場合でも一律料金です。
自己負担額は健康保険の負担割合によって変わります。
健康保険の自己負担割合が3割の方は、次の表の金額となります。
(3割負担の場合) |
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【ご参考】 骨軟部・肝臓 すい臓・大腸 |
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(3割負担の場合) |
- 陽子線治療の費用以外に、診察、検査、投薬、入院などの診療費がかかります。
- 健康保険の「高額療養費制度」など自己負担額を軽減する制度も設けられています。「限度額適用認定証」などの提示によって窓口での支払いは一定の金額までとなります。詳細は保険者(市町村、健康保険組合、協会けんぽ)にご確認ください。
陽子線治療の費用(先進医療等の場合)
陽子線治療の費用は、一つの治療部位に対する一連の陽子線照射について一律料金です。
陽子線治療の費用(全額自己負担)・・・2,883,000円
※ X線治療を併用する場合は、2,722,800円
※ 治療した原発巣から転移した癌などの場合、961,000円
- 陽子線治療の費用以外に、診察、検査、投薬、入院などの診療費がかかります。
- 陽子線治療以外の費用(診察、検査、投薬、入院などの費用)は健康保険の対象となる場合があります。その場合、一部負担割合(3割など)に応じた金額となります。
- 陽子線治療は個人で任意加入している「先進医療特約」など民間医療保険の給付対象と認められる場合があります。直接保険会社にご確認ください。
高額療養費制度について(国民健康保険の場合)
「高額療養費制度」を利用すれば、個人の月ごとの医療費支払いを「自己負担限度額」までに抑えることができます。
高額療養費制度」とは
「高額療養費制度」とは、医療機関や薬局で支払う医療費の金額がひと月(1日~月末)に限度額を超えた場合に、その超えた金額を健康保険から支給してもらえる制度です。
「限度額適用認定証」または「限度額適用・標準負担減額認定証」を病院窓口に提示することにより、1ヶ月(毎月1日から月末) の窓口の医療費の支払いが自己負担限度額までとなります。
限度額は、年齢や所得に応じて定められています。
70歳未満の人と70歳以上75歳未満の人では「自己負担限度額」が異なります。
- 入院時の食事負担や差額ベッド代等は含みません。
- 一医療機関の窓口での負担が、外来・入院ともそれぞれの限度額までとなります。
70歳未満の人の限度額
所得 | 区分 | 3回目まで | 4回目以降 |
---|---|---|---|
901万円を超える | ア | 252,600円 +(医療費-842,000)×1% |
140,100円 |
600万円を超え 901万円以下 |
イ | 167,400円 +(医療費-558,000)×1% |
93,000円 |
210万円を超え 600万円以下 |
ウ | 80,100円 +(医療費-267,000)×1% |
44,400円 |
210万円以下 | エ | 57,600円 | 44,400 |
住民税非課税世帯 | オ | 35,400円 | 24,600円 |
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70歳以上75歳未満の人の限度額
所得区分 | 外来 (個人) |
外来と入院 (世帯単位) |
---|---|---|
現役並み所得者Ⅲ (課税所得690万円以上) |
252,600円 +(医療費-842,000円)×1% |
|
現役並み所得者Ⅱ (課税所得380万円以上) |
167,400円 +(医療費-558,000円)×1% |
|
現役並み所得者Ⅰ (課税所得145万円以上) |
80,100円 +(医療費-267,000円)×1% |
|
一般 (課税所得145万円未満等) |
18,000円 | 57,600円 |
低所得者Ⅱ | 8,000円 | 24,600円 |
低所得者Ⅰ | 8,000円 | 15,000円 |
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事前に認定証の申請を!
年齢や世帯の所得により所定の手続きが必要となります。
次の項目に該当する方は、治療前にあらかじめ「限度額適用認定証」または「限度額適用・標準負担減額認定証」交付申請の手続きをしておきましょう。
■70歳以上75歳未満で現役並み所得者Ⅰ・Ⅱの人
■70歳以上75歳未満で低所得者Ⅰ・Ⅱの人
自己負担額の計算方法
1)月ごと(一日から末日まで)の受診について計算します。
2)2つ以上の病院・診療所にかかった場合は別計算です。
3)同じ病院・診療所でも外来・入院は別計算です。歯科も別計算です。
4)70歳以上75歳未満の人は、病院・診療所、歯科の区別なく計算します。
5)入院した時の食事代や保険が効かない差額ベッド代などは対象外です。
カズヤスのまとめ ~私が陽子線治療に払った費用は?
私、カズヤスは陽子線治療を受けた時点で64歳だったため「70歳未満」で「住民税非課税世帯」にあたります。
私の場合、定年退職を経て故郷へ帰り、しばらく職探しをしていたため、たまたま前年度は働いた期間が短く、住民税非課税となったのです。
カズヤス
大変助かりました。制度を知ってて良かった!!